歌集

生涯で、全17冊の歌集をはじめとして、随筆等多数出版しています。

 

ここでは、「鈴江幸太郎全歌集」「鈴江幸太郎」を除く15冊の歌集をご紹介します。

鈴江幸太郎直筆歌稿


第一歌集『くろもじ』

昭和44年6月20日刊 初音書房

・大正3年~昭和3年の作品159首を掲載

・実質は処女歌集で、初期の成長過程をうかがうことができる。

・歌集名は、師である中村憲吉の「枯れ山に花先んじて黄に咲ける黒もじのえだ折ればにほひぬ」に拠る。

第四歌集『柘榴の家』

昭和26年9月20日刊 高槻発行所

・昭和24年~26年までの作品420首

・第五歌集と合わせ、鈴江短歌の戦後の作品の根幹を伝えているといわれる。

・歌集名は、歌集内の作品「うろふかき幹は老いたる柘榴樹ざくろぎの屋根を覆ひ庭をおほふ青葉の光」に拠る。

第七歌集『夕映』

昭和34年10月25日刊 林泉短歌会

・昭和31年~34年までの作品530首

・全ての漢字にルビを打っている。これは、当時国語表記法が混乱していたことを悲観し、将来的に歌を理解し感じることへの支障を取り除くためのやむを得ない方法だった旨が後記に記されている。

 

【準備中】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十歌集『夜の岬』

昭和44年3月10日刊 初音書房

・昭和41年~43年までの作品561首

・旅や住友修史の歌などに力の籠った連作が多い。

・昭和45年日本歌人クラブ推薦歌集を受賞。

第十三歌集『鶴』

昭和52年4月15日刊 初音書房

・昭和50年~52年までの作品370首

第二歌集『海風』

昭和18年7月30日刊 八雲書林

・昭和3年~16年の作品505首を掲載

・特に妻死去の名作は指折りと名高い。

・師である斎藤茂吉が序文で「すぐれた憲吉歌風の特色を継承したもののごとく、おほどかにして切実に、精緻にして豊かなるものである」と記している。

第五歌集『雅歌』

昭和28年7月20日刊 林泉短歌会

・昭和26年~28年までの作品146首

・長女の結婚、念願の林泉創刊、師である斎藤茂吉の死去などに名作が多い。

・歌集名は、師である中村憲吉と美術館で観た、ギュスタブ・モローの絵「雅歌」に拠る。

 

第八歌集『水の上』

昭和37年11月25日刊 初音書房

・昭和34年~37年までの作品492首

・第五歌集と合わせ、鈴江短歌の戦後の作品の根幹を伝えているといわれる。

・歌集名は、歌集内の作品「うろふかき幹は老いたる柘榴樹ざくろぎの屋根を覆ひ庭をおほふ青葉の光」に拠る。

第十一歌集『月輪』

昭和47年4月20日刊 初音書房

・昭和44年~47年までの作品538首

・昭和46年に『鈴江幸太郎歌集』上梓後、再出発の第一歌集。旅の歌が多く、さらに円熟味の加わった作品群である。

 

第十四歌集『石蓴集』

昭和54年4月15日刊 初音書房

・昭和52年~53年までの作品420首

・極めて完成度の高い旅行詠がいわゆる幽寂境に達しているとされるなど、生涯的詠嘆がみられる。

第三歌集『白夜』

昭和24年11月30日刊 高槻発行所

・昭和17年~23年までの作品594首

・敗戦前後の困難な時代、短歌結社「高槻」の立ち上げと発刊、等の煩雑な生活が詠まれている。

 

 

第六歌集『屋上泉』

昭和31年8月5日刊 林泉短歌会

・昭和28年~31年までの作品463首

・林泉の歌誌発行や伝記「住友春翠」に没頭し余裕のない中で、緊張感あふれ温潤、達意の歌風を現出している。

・●●だった川田順、山口誓子の認める変化と深化の見られる歌集である。

 

第九歌集『山懐』

昭和41年4月10日刊 初音書房

・昭和38年~40年までの作品491首

・円熟の度が加わり、鈴江作品にとって一つの転機を迎えたといわれる。

 

 

 

第十二歌集『花筵』

昭和50年6月15日刊 初音書房

・昭和47年~49年までの作品515首

・「梅林の鶴」一連をはじめ、師である中村憲吉の秀吟と交響しての佳作が多い。自在な歌風の中に、●情性とロマン性をたたえている作品が続く。

第十五歌集『雪後集』

昭和56年7月5日刊 初音書房

・昭和54年~56年までの作品328首

・鈴江幸太郎最後の著作

・旅行詠の力作の他、亡き息子への佳作には、人間的地上的な悲しみが深化される過程を表現されている。


(参考:鈴江幸太郎全歌集)